すっぽんは古来から滋養、強壮に良いといわれ食されてまいりました。
中国では「医食同源」として珍重され、その食生活史は5千年に及ぶと言われています。ちなみに中国ではすっぽん料理を「三爪采」と呼びます。五本の爪のうち三本しか見えないためこの名が付いたのですが、これは亀とすっぽんを区別する何よりの特徴です。
 日本では、六九七年 近江の国から文武天皇に献上されたという記録がありますが、江戸時代の宝暦年間以後に露天の煮売りとして街頭に現れたのが「すっぽんや」の始まりです。又、西洋では肉を食べずにスープだけを食します。フランスの高級料理トルチュのスープが代表的ですが日本では汁沢山のすっぽん鍋が普通です。

 すっぽんは良質のたんぱく質やアミノ酸、ビタミン類が豊富なアルカリ性食品で、新陳代謝を活発にし疲労回復に優れた効果を表します。そしてその脂肪は体機能を正常に維持し、発揮するために欠かせない不飽和脂肪酸を多く含み、善玉コレステロール(HDL)により動脈硬化を改善し、体内の糖の代謝を助けます。すっぽんは精力増強に良いとされていますが、この善玉コレステロールがホルモン合成に良い影響を与えるためのようです。また、生き血には特に、他の食品では補いにくいミネラル(鉄分、カルシウム、リン、ナトリウム、カロチン等)の微量成分を多く含む貴重な食品です。
 このように大変美味しく体にも良いすっぽんをぜひともお試しくださいませ。

お食事処 あい津店主   石村守生